家庭用オーブンは業務用オーブンに比べると火力が全く足りません。
生地の状態を確かめて、臨機応変に作業工程を変えることも素人の私たちにはハードルが高いです。
実は、プロの作業工程・方法を真似るだけはバゲット作りは100%失敗するんです。
この記事では、家庭でのバゲット作りを成功させるために必須の便利グッズを8つご紹介します。
自宅で美味しいバゲットを食べたい方は、本記事でご紹介する便利グッズを試してみてください。
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ミキシング時の便利グッズ
ミキシングはバゲット作りの根幹。
この工程がバゲット作りの成功を左右すると言っても過言ではありません。
ミキシングのポイントは再現性を高めること。
ホームベーカリー(またはパン捏ね器)
バゲット生地は手で捏ねた方がプロっぽくて、手で捏ねたくなりますよね。
どのレシピを見ても大体手捏ねしていますが、私は素人が生地を手で捏ねることこそがバゲット作り失敗の最大の理由と考えています。
生地を捏ねる理由はイーストから発生したガスを生地に含ませるためですが、丁度良い捏ね加減にしなければ生地は上手く膨らみません。
捏ねすぎるとグルテン膜が強くなりすぎてガスを取り込んでも生地が膨らまない。
身が詰まった硬いバゲットになる。
捏ねが不足するとグルテン膜の形成が甘く生地同士の繋がりが弱くなる。
ガスの取り込みが少なく、身が詰まった重い食感になる。
また、『捏ね』はバゲット作りのベース。
毎回の捏ね具合が同じでなければ、せっかく他の工程を試行錯誤しても正しい評価ができません。
素人が毎回の捏ね具合を統一する最も簡単な方法は、ホームベーカリーやパン捏ね器などの装置を使うこと。
これらの装置を使って生地を捏ねることで
捏ね上げ温度
捏ねる力加減
が統一できるため、生地の再現性が高まります。
なお、ホームベーカリーで生地を作成するならパン生地モードが搭載されている機種を使用すること。
あとは、オートリーズ法(塩の後入れ)を行うために、捏ねを中断できる機種だとなお◎。
スプーンスケール
バゲットのレシピを見て『あれ?食パンと比べるとイーストの量少ないんだ』と思われたことはないでしょうか。
その理由は、バゲットのようなリーンなパンは発酵による旨味成分と小麦本来の風味しか美味しさのポイントがなく、イーストの量を増やすとイースト臭いパンになり小麦の風味が失われて美味しさが半減するからです。
当たり前ですが、イーストの量を増やす方が発酵時間が短く済むため、焼き上がりまでの時間を短縮できます。
とはいえ、時間短縮してまで不味いバゲットを食べたいなら、スーパーやコンビニに買いに走る方が手間がかかりません。
で、話を戻しますが、スプーンスケールが便利なポイントは以下の2点。
小数点第1位まで表示できるため、精密に秤量できる。
ドライイーストをすくいやすい
ドライイーストは少量だからこそ、秤量誤差を少なくして正確に量ることが大切です。
また、ドライイーストは形状がサラサラしていて、一般的な小さじスプーンだとすくいにくかったりします。
スプーンスケールは文字通り形状がスプーンそのものなので、ドライイーストをすくいやすいし、取りすぎても戻しやすいので便利です。
発酵時の便利グッズ
バゲットの発酵方法はストレート法、ポーリッシュ法、オーバーナイト法があります。
ストレート法とは
生地の仕込みが1度で済む方法で、ミキシングから焼成までが1日で完結するパン作りの最も基本的な製法。ディレクト法・直捏(じかごね)法とも呼ばれる。
ポーリッシュ法とは
「ポーリッシュ種」と呼ばれる水種(液種)を使った製法で、中種法の一種。分量の20~40%の粉を、「ポーリッシュ種」としてあらかじめ作っておき、この「ポーリッシュ種」を残りの配合に加えて生地を作る製法のこと。
オーバーナイト法とは
1次発酵の後に冷蔵庫で一晩寝かせてから2次発酵を行う方法で、生地を仕込んだ翌朝に成形&仕上げ発酵するという製法のこと。
ストレート法は当日中にバゲットが焼き上がりますが、旨味が少ないです。
ポーリッシュ法は旨味が最も強く感じれる製法ですが、手間と時間が掛かりすぎます。
低温でじっくり発酵させるため旨味を強く感じれる
1次発酵終了後は冷蔵庫で放置するだけなので簡単
朝ごはんに焼きたてのバゲットが食べれる
オーバーナイト法は捏ね上がった生地をボウルに入れてラップして冷蔵庫に保管するだけなので、特にあると便利なアイテムはありません。
成形時の便利グッズ
成形時は生地にストレスを与えることなく、スムーズに生地を動かすことが重要です。
使用する器具によっては生地がうまく動かせなくて、せっかく発酵で生成したガスが抜けてしまうことがあります。
パン捏ね台
価格の安さ
収納のしやすさ
お手入れのしやすさ
パン作りをこれから始める初心者さんはこんな理由からシリコン製のパン捏ねマットを購入されがちですが、結論からいうとシリコン製のパン捏ねマットは非常に使い勝手が悪いためおすすめしません。
成形時にズレてストレス
薄すぎて洗いにくい
干す場所がない
シリコン製パン捏ねマットは生地とマットの間に滑らかにカードが入らなかったり、成形中にマットがズレてシワになったりして、生地をスムーズに動かせないことがあります。
また、使用後のマットを洗う際も薄すぎてマットが寄れてしっかり洗えなかったり、洗った後の干す場所に困ったり。。。とにかく扱いにくいんです。
パン作りを本格的に始めるなら、大理石製で作りがしっかりしたパン捏ね台を使うことをおすすめします。
茶こし
バゲット生地は水分量が多く、成形時の打ち粉は必須です。
粉ふるいはサイズが大きく、狙った場所にピンポイントで粉を落とせないことも。
そんな時は100円ショップで購入できる取手付きの茶こしを使うのがおすすめ。
焼成時の便利グッズ
自家製バゲットを焼くなら、家庭用オーブンをどれだけバゲット仕様にカスタマイズできるかが重要です。
平天板
バゲット作りには必須。これが無いとまともに焼き上げることは不可能です。
電子レンジ付属の底が深い専用天板を反対に向けて使用する方法もありますが、専用天板は蒸気を直入れする際に使用するため生地を乗せる用の平天板を持っておくことをおすすめします。
家庭でバゲットを焼くなら予熱した天板の上にシュッとシートごと生地をシュートインさせることになるため、平たい方が出し入れがスムーズにできます。
天板
電子レンジ購入時に付属しているこんな天板があれば十分です。
おそらくフラットではなく底が深い形状になっていると思いますので、パン生地をシュートインした後に沸騰させたお湯を天板に直接注ぎ込むことでクラストがカリッとしたバゲットが焼き上がります。
フランスパン用天板
これがあると成形〜2次発酵〜焼成で生地を無駄に移動させずに済みます。
また、フレームがバゲットの形状を保ってくれるため、水分が多く生地がダレてもフレームが支えてくれます。
取り板
熱した天板に生地をシュートインする時にあると便利です。
まな板などでも代用可能ですが、まな板の材質次第では熱々の天板に触れて溶ける心配があるため要注意。
とはいえ、恐る恐る作業するとオーブン内の温度はあっという間に下がってしまうため、シュートインはスピードが命。
ドリップケトル
我が家は東芝の石窯オーブンを使用していますが、スチームオーブンモードだと蒸気の具合がいまいちだったため、熱湯を天板に直接注ぎ込んでいます。
上側に生地を乗せるための平天板、下側に蒸気を注ぐための付属天板をセットしていますが、天板同士の間隔が狭いため注ぎ口が太いヤカンや電子ケトルだと熱湯をうまく注ぎ込めません。
【番外】カット時の便利グッズ
焼き上がったバゲットはクラストが硬く、通常のパン切り包丁だと切り分けるのが大変ではありませんか?
そんな時は電動のパン切り包丁がおすすめ。
硬いバゲットが豆腐みたいに滑らかに切れる
バゲットを横に切って明太フランスなどが作れる
柔らかい食パン生地でも薄くスライスできる
充電式なのでコードが絡まってストレスになることもありません。
自宅でよくパンを焼くなら持っていても損はない1品です。
まとめ:便利グッズを活用して自宅で焼きたてバゲットを楽しみましょう!
私たちのようなパン作りの素人は、プロの技術や経験を便利グッズで補うことがバゲット作りを成功させるための一番の近道です。
どのアイテムも1度購入したら長く使えるものばかりですし、バゲット以外にもパン作り全般に使えます。
道具を揃えて、美味しい自家製パンを焼いてみませんか。