『バゲット 作り方』で作り方を検索したらめっちゃ簡単に作れるじゃん!って思いましたよね。
でも、実際にレシピ通りに作っても上手く焼けなかったのではないでしょうか?
生地がダレる
水分量が多すぎる
生地(クラム)が硬く身が詰まっている
過発酵・発酵不足・生地のコネ過ぎ・生地のコネ不足
皮(クラスト)がカリッとならない
焼成時の蒸気不足
クープが開かない
オーブンの火力不足・クープが浅すぎる・生地に気泡が取り込めていない
バゲット作りに失敗するなら、必ず上記のどれかに該当しているはずです。
本来なら
自宅の環境(温度・湿度・捏ね上げ温度)
材料の分量
オーブンの特性
生地の状態
これらを考慮しながら各程に微調整をかけるべきですが、私たちみたいな素人ではなかなか判断が難しいです。
そもそも、庭用オーブンの火力は業務用オーブンには遠く及びません。
実は、プロのレシピや作り方を参考にするだけでは家庭でのバゲット作りは確実に失敗するんです。
とはいえ、家でバゲット焼きたいですよね。
実は”家庭用オーブン専用のある工夫”を作業工程に盛り込むだけで
クープが立ったバゲットや
カンパーニュなど
ハード系パン全般が自宅で焼けるようになります。
今回の記事では、家庭で美味しいバゲットを焼くための方法と手順を実際の工程に沿って解説します。
他の方のレシピを見てもなぜか上手く焼けない・・・
こんな方は、一度本記事で解説している方法を試してみてください。
なお、素人が自宅でバゲットを焼くなら、技術・経験不足を補うための最低限の器具は揃えるべきです。バゲット作りに必要な器具は自家製バゲット作りに必須の便利グッズ10選|使うべき理由を具体的に解説で説明しているので参考にしてみてください。
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自家製バゲットの材料
- 準強力粉(トラディション)
- 200g(100%)
- ドライイースト(赤サフ)
- 2g(1%)
- 水
- 140g(70%)
- 塩
- 3.4g(1.7%)
準強力粉はリスドォルやメゾンカイザーなど好きな種類を使ってください。
自家製バゲットの作り方
- ミキシング(オートリーズ法)
- 発酵(オーバーナイト法)
- 成形
- 焼成(しょうせい)
ミキシング
初心者さんは混ぜムラをなくすためにも、ホームベーカリーやパン捏ね器でミキシングすることを推奨します。
- 容器に準強力粉と水を入れてホームベーカリーのパン生地モードをスタートする
- 生地がまとまってきたらドライイーストをまんべんなく振りかけるように投入する
- 10分経過したら一度ホームベーカリーを停止して10分間生地を休ませる
- 10分経過したら再度ホームベーカリーをパン生地モードでスタートさせて分量の塩を全体に振りかけるように投入する
- ホームベーカリーのパン生地モードで1次発酵まで工程を進める
オートリーズの効果・目的は、水和(粉が水を吸うこと)をうながすことで、伸展性と窯伸びを向上させることにあります。
(*伸展性とは、生地の伸び具合のことで、伸展性のある生地はパンの成形もしやすくなります。)
(*窯伸びとは、焼成時において、生地が縦に膨らむ力のこと。釜伸びが良いと、結果としてクープが開きます。)また、もう一つの目的は気泡構造を粗くし、バゲット特有の噛みごたえのある食感を作ることです。
発酵(オーバーナイト法)
ミキシング不足を補うことと低温でじっくり発酵させて旨味成分を最大限に引き出すことを目的にオーバーナイト法を推奨します。
- 1次発酵まで終わった生地にパンチを入れてガスを抜く
- 大きな気泡を潰して小さな気泡にして、キメの細かい焼き上がりにするため
- グルテンの抗張力を強化して窯伸びする生地に仕上げるため
- 新鮮な空気を供給してイーストの発酵を強め、生地をより膨らませるため
- サッと水で濡らしたボウルに生地を丸めて入れる
- ボウルにシャワーキャップ(ラップでも可)を被せて冷蔵庫に入れて一晩(6時間以上)寝かす
成形
生地が冷たいままだと2次発酵での膨らみが悪くなるので、生地温が20℃程度になるまで室温に置いておきましょう。
- 生地表面と作業台全面に打ち粉をする
- 生地を正方形に成形する
- 奥から手前へ1/3程度折りたたむ
- 手前から奥へ1/3程度折りたたむ
- 生地の量端を持って左右に引っ張り好みの長さに整える
- 手前から奥に折り畳み、閉じ目をしっかりつなぐ
- 取り板(シュートインする板)にクッキンシートを敷いて、成形したバゲットを乗せてホイロをとる
焼成(しょうせい)
カリッとしたクラストに仕上げるために、オーブン内に直接熱湯を注ぎ込みます。
クープが開く前に生地表面が焼き固まることを防ぐために、クープにオイルを垂らします。
生地投入時に庫内の温度低下を最小限に抑えるため、予熱時から庫内に天板をセットしておきます。
- オーブンに2枚の天板をセットして最大温度で予熱を開始する
- 予熱完了1分前にお湯を沸かし始める
- ホイロを取った生地の表面に粉をふるい、クープをスパッと入れる
- 必ず切る(キレてないはNG)
- 深さを均一にする(深い・浅いはNG)
- 複数本入れる場合は長さ・深さ・角度を均一にする
- クープ全体にオリーブオイル(なければサラダ油でも可)を垂らす
- 家庭用オーブンは火力が弱く、生地の気泡が膨張する前に外側が焼き固まってしまいます。
- 生地表面をオイルで保護することにより、クープが開く前に生地が焼き固まることを防止できます。
- 予熱が完了したオーブンの上段に生地をシートごとシュートインする
- 下段の天板に熱湯を適量注ぎ、庫内を蒸気で満たす
- バゲットは高温で焼くため、蒸気がない状態だと外側から順番に焼き固まっていきます。
- 蒸気があることで生地表面を蒸気でコーティングして、外側が早期に焼き固まることを防げます。
- その結果、生地の水分が抜けて軽いクラムになり、クラストは薄くカリッとした食感のバゲットに仕上がります。
- 最大温度で10分焼いた後、下段の天板を取り出して生地の向きを180度変えて追加で15分焼いたら完成です
まとめ:基本を抑えて少しカスタマイズすれば自家製バゲットは必ず焼けます
バゲットは材料がシンプルであり、ミキシング・発酵・成形・焼成のひとつ一つの工程の完成度が味に直結するため、ハード系パンの中でも特に難易度が高いです。
とはいえ、作業内容は至って単純なので、基本さえ抑えておけば、あとは試行錯誤の繰り返しで必ず上手に焼けるようになります。
個人的には、各工程の意味を理解することが美味しいバゲットを焼くためには重要だと思っています。
最低限必要な器材は取り揃えて、あとはひたすらトライ&エラーを繰り返しましょう!