- 子供の鼻水を吸引する行為にどんな意味があるのか知りたい。
【本記事のまとめ】
鼻水の吸引にはお薬のような直接的な治療効果はありませんが、睡眠不足の解消、接触不要の改善、粘液成分の分泌亢進を促して間接的に回復させる効果が期待されます。
小さな子供は必ず鼻水を垂らしますが、鼻水を吸引する行為は子供がとても嫌がるため効果がないならなるべくやりたくありません。
小児科や耳鼻科に行くと必ず「鼻水を定期的に吸引してあげてください」と言われますが、これまでその行為をやる意味を考えたことがありませんでした。
本記事では鼻水吸引が子供の回復に与える影響を調査した研究結果の内容をご紹介して、鼻水を吸引する行為に意味があるのか解説します。
気管支炎について
気管支炎とは、呼吸器の症状の一つで、気管支が炎症を起こすことです。
気管支炎は、急性気管支炎と慢性気管支炎に区分されます。
急性気管支炎は、気管と気管から枝分かれしている気管支が感染症によって炎症を起こすことです。
急性気管支炎は、通常の場合は、ウイルスによる感染が原因で発生します。
風邪の症状がみられた後にせきが頻繁に出る場合は、一般的には急性気管支炎が疑われます。
引用元:健康に役立つ知識|気管支炎とは
参加した乳児の詳細
【合計人数】150名(鼻腔吸引群:75名、対照群:75名)
【性別】男性:109名、女性:41名
【月齢】0-2ヶ月:51名、2-6ヶ月:66名、6-12ヶ月:33名
【主訴】発熱:85名、咳:101名、鼻水:102名、速い呼吸:150名、摂食障害:72名
気管支炎の重症化スコア
【判定】
- 0-4スコア:軽症
- 5-9スコア:中等症
- 10-17スコア:重症
結果①気管支炎患者の入院期間
対照群の平均入院期間が142.31±35.84時間、鼻腔吸引群では129.89±40.66時間でした。
結果②鼻腔吸引による重症化スコアの推移
鼻腔吸引前後で評価した重症化スコアは鼻腔吸引により優位に低下しました。
結果③:摂食障害(授乳)の有無
鼻腔吸引に期待される効果
鼻腔吸引により鼻腔内の分泌物や付着した粘液を取り除き、鼻閉を解消することで下気道の空気の流れを改善し粘液成分の分泌を増加させ、その結果回復時間を短縮できると推測します。
また、定期的に吸引することで患者が興奮し、その結果粘液成分の分泌が増加すると考えます。
結論:鼻腔吸引は有効な対症療法です
- 鼻腔吸引により入院日数が短縮されます。
- 鼻腔吸引により呼吸数や急性気管支炎重症度スコアの低下、摂食障害の改善が見込めます。
- 鼻腔吸引は操作が簡単で習得しやすく、経済的・非薬物療法・非侵襲的な手法であり、家庭での積極的な導入が推奨されます。
鼻水の吸引にはお薬のような直接的な治療効果はありませんが、睡眠不足の解消、接触不要の改善、粘液成分の分泌亢進を促して間接的に回復させる効果が期待されます。
子供が鼻水を出していたら症状を早期に改善させるためにも積極的に吸引してあげて下さいね。
本論文でも鼻水の吸引には自動吸引器を使用していました。親が口で吸うタイプでは吸引力が不足して期待される効果が得られない可能性が高いです。
メルシーポットでうまく鼻水が吸えないと言うお悩みをお持ちならこちらの記事で我が家が実践しているコツをご紹介しています。
参考になれば幸いです。
メルシーポットは新生児でも使えるの?という疑問をお持ちの方、大丈夫です我が家では生後20日の息子に使用して問題ありませんでした!但し、少しコツが必要なのでこちらの記事で解説しておきました!
というわけで今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは!